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木原マツ(広 島) |
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私は、大正4年6月10日生まれで、今月93歳になりました。
私の年代の人たちは言うに言えない苦労の中を、必死で生き抜いた経験がありますから、82歳の時も胃癌を克服したりと、ちょっとやそっとの苦難は乗り越えることが出来る世代のようです。
その苦労の甲斐あって、今は息子のおかげで何不自由なく、有難い日々を送らせて頂いております。
ところがここ最近、夢に亡くなった親族や友達が出て来て驚きました。
最初に今は亡き主人が「まだ寝ちょるんか?」と言って話しかけるのです。
「はぁ…」と思っていると、次に、5月26日に三十三回忌を迎え、木原秀成先生に一座供養をして頂いた、40歳でこの世を去った長男の英雄が、小学五・六年生の頃の姿で、私の母と一緒に、「トタンをあっちに向けて」とか「家の壁がどうだ」とか二人で一生懸命、家を作っているのです。
母は亡くなる前のヨボヨボ姿です。
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この夢は何回も見ています。
また、男の人が二人出て来て、頭に黒い頭巾をかぶっているのです。
この二人は誰だかわかりませんが、小さい頃、大分の海辺で育った私には、潮の香りがなつかしく、父が漁師だったので、感覚で漁師だと感じるのです。
ひょっとしたら父ではとも…。
今度は夢を見ただけではなく、実際に寝てる私の口をギューとつねるのです。
あまりの痛さに目が覚めて、あたりを見回しても誰もいません。
介護をしてくれている人を起こして「今私の口をつねった?」と聞いてみても、「縁起でもない。そんなことしてませんよ」と言われ、「さっきのは何だったのか」とまた眠りに入りかけたら、今度はホッペのあたりをツンツンとつつくのです。
まただと目を開けても誰もいないのです。
不思議な体験でした。
この歳になると、夜が来るのが怖いので幻覚かしらとも思ったのですが、一度ならずも何回か同じ夢を見るとやはり死者が生きていると痛切に感じました。
しかも幽霊の格好ではなく、足もちゃんとついていて、生前となんら変わらない姿で出てくるのです。
意識をしていなかったら、ついつい会話を楽しんでしまいそうで、ふと我に返り慌てて、「南無大師遍照金剛」と唱えるとスゥーと心が落ち着くのです。
昔の人が言っていたとおり、お迎えに来ているのではと感じましたが、まだまだ逝く気にはなれませんので、出てこられても会話にのらないようにと心がけ、人生を謳歌させて頂こうと思っております。
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